■前書き
ラブライバーの皆さん本当にごめんなさい(真顔)
どうしてこうなったか分かりませんが、何かこう自分の好きな百合小説を書いたらこうなりました。
とりあえず、何か本当にすみません……。
いや、ラブライブ大好きですし、ことうみ大好きなんですけどね、どうしてこうなったんだろうと書いた本人が一番困惑してます。
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「穂乃果ちゃん……ごめんね」
雨が降る教室で、ことりの声が聞こえる。
ことりは泣きながら、謝りながら、まるで自分自身の間違った行為を悔いるように、私にキスをしながらそう言い続ける。
どうしてこうなってしまったんだろう。
私は、穂乃果に何を求めていたんだろう、どうしてことりとこういう行為をしているんだろう。
それは数時間前に起きた出来事がきっかけ――。
「ごめん! 2人とも! あとは私が何とか終わらせるから2人は先に帰ってて!」
生徒会長になった穂乃果は必死に生徒会長として出来ないなりに仕事をこなす。
それでも仕事は山積みで、そんな今日は3人で一緒に仕事をしていたけれど、どうしても2人だけは先に帰って欲しいと穂乃果に言われたのだ。
「でも、まだこんなにも仕事が……」
「穂乃果ちゃんに無理はさせられないよ」
私とことりも口を揃えて穂乃果をフォローするけれど、それ以上に穂乃果も私達の事を考えていたのか、そう言ったのだ。
「ことりちゃんは今度の衣装を考えなくちゃだし、海未ちゃんだって新曲の歌詞だってあるでしょ? だからここは私に任せてそっちをお願い!」
昔から穂乃果はこういうところは頑固で、私とことりは穂乃果の言うことに従って仕方なく帰ろうという話になったのだ。
「いいですか? 穂乃果。絶対に徹夜とか無茶は駄目ですからね? ライブ前に風邪を引いたら元も子もありません」
私はきっちりといつものように穂乃果に厳しく言い、生徒会室から出た。
「穂乃果ちゃん……大丈夫かなぁ」
ことりは帰り最中もずっと穂乃果の心配をする。
「確かに衣装もそうだし歌詞もそうだけど……ね」
「穂乃果はいっつも無理ばかりをして……」
私もことりも穂乃果の事が心配で気持ちが落ち着かなかった。
「まぁ、でも私達は私達なりにμ'sの為にも頑張って、その中で穂乃果をフォローしてあげなくちゃですし……」
そんな穂乃果の話ばかり話していると、突然ことりが、
「あ!! 衣装のノートもしかしたら生徒会室に置いてきちゃったかも!」
ことりは慌てて学校へと足を走らせる。
「え!? ちょっと待って下さい。私も一緒に着いて行きます!」
そう言って私もことりに追いつくように走ったのだ。
今思えばここで学校へ戻らなければ良かったのかもしれない。
私とことりは急いで生徒会室へと足を走らせると同時に、穂乃果が生徒会室でちゃんと仕事をしているかチラっと見る程度に考えゆっくりと気付かれないようにドアを開けようとしたその時、絵里先輩の声が聞こえたのだった。
「……するわよ……?」
最初は絵里先輩が仕事に慣れない穂乃果に仕事を教えいるのかと思ったのだったけれど、それが違うものだとすぐに気付いた。
「絵里ちゃん……きて……」
そう気付いた瞬間に私の心臓が鷲掴みされたようにぎゅっと締付けられた。
「んんっ……はぁ、穂乃果……」
ことりも同じように手が止まり、その場で動かなくなっていた。
あぁ、ことりも同じ事を思っているのかな……。
「絵里ちゃん……」
これ以上は聞きたくないとこの場を離れようとした時に、ことりが私の手を掴んだ。
私とことりは無言で、それでもお互いが言いたい事ははっきりと分かったかのように、その場を立ち去った。
生徒会室を移動した私とことりは無言で誰もいない教室へと入った。
気が付けば外は雨が降っていて、まるで私の心を映し出すかのように暗く、降り続けた。
「……海未ちゃん、あれって……」
ずっと無言だったことりが口を開く。
「え、えぇ……そう、ですね……」
言葉が出ない。あまりにも衝撃すぎて、頭の整理が追いつかない。
「海未ちゃんはさ、穂乃果ちゃんの事……どう思ってる?」
突然、ことりがそう言うと自分の心が見透かされたような気持ちなってまた心が締付けられた。
そう、私は穂乃果の事が好き。だけど、それは絶対に叶わない恋だと知っている、だから隠していたのに“あんなもの”を見てしまったら今までの自分は何だったのだと考えさせられる。
「私……ね、穂乃果ちゃんの事が好きだから……」
静まった教室でことりが口を開く。
「えっ……それって……」
その時点で私は気付いていたのだ。ことりが穂乃果の事を恋愛的な感情で見ているということを。
「うん……」
何も言わずともことりは私の言葉に頷く。
(そうか……ことりも私と同じなんだ……)
そう思うと、まるで鏡写しのようにことりが自分自身に見えた。
「私も、ことりと同じです。穂乃果の事が……」
私がそう口にすると、ことりは涙を流しながら私の胸に飛び込んだ。
「なんで……私じゃ駄目だったのかな……何が足りなかったのかな……」
どうしようもない気持ちがお互いを引き寄せる。
それはまるで自分が言いたかったことをことりは言い続ける。
「私、穂乃果ちゃんが好きなのに……なのに……」
雨の音と一緒に悲しい声がずっと響く。私は同じ気持ちを、どうする事も出来ない気持ちを胸にことりを抱きしめた。
しばらく時間が経ち、ことりの涙が止まると私を見つめてこう言った。
「ねぇ、私達……付き合わない?」
突然だった。それはあまりにも突然で最初は困惑したけれど、すぐにそれは“自分の空いた隙間を埋めるもの”だと理解し、すぐに返事をした。
「いいですよ……その変わり、“そういう事をする時”は穂乃果だと思って、しましょう」
そこから私とことりの複雑な関係が始まった。
「穂乃果ちゃん……好き……」
ことりは私を穂乃果だと思い込んで、私にキスをする。
私も同じように、穂乃果の事を思いながら、ことりにキスをする。
「穂乃果……」
白く透き通った素肌、サラサラな髪の毛、ほのかに香る女の子の匂い。
あぁ、自分のしている相手は女の子なんだと自覚する。
「んんっ……私、穂乃果ちゃんとずっとしたいって思ってたよ……」
唇も柔らかくて、相手が穂乃果だと思うと胸がドキドキする。
「私も……穂乃果のこと……んっ……」
指を絡ませ、お互いを求めながらお互いを穂乃果に見立てて深い深い底へと落ちていく。
「穂乃果ちゃん……ごめんね……大好きなのに……大好きなのに……」
好きだからこそ、穂乃果を困らせたくないからこそ、私達はお互いを求め合う。
それが本当の幸せでなくとも、私は偽りの幸せを幸せだと感じよう。
「穂乃果……大好きです……」